ステンドグラス制作のガラス選びについてを少々アップしています。もちろん絵柄やデザインへ好みの色合い質感のガラスを選んでゆきます。
このカテゴリーはステンドグラスとはどういうものか。制作を始めてみたい、学んでみたいと感じている方へできる限り解りやすく内容を記しています。ステンドグラスの歴史云々は検索で多く出てきますのでそれらは割愛しますが技法の説明上古典的な内容を含む場合もあります。あまり堅苦しい文章にならないようにして行くつもりです。内容が脱線してゆく場合も多いと思いますがご容赦下さい。趣味として、生涯学習としてこれから学んでみようと感じている方、またこれらの工芸を職業にすることを模索している方もいると思います。Atelier Reverieでの教室活動を元に私の経験を含め色々書いて行きたいと思います。つたない文章ですが読み物として興味のある方へ少しでも参考になれば幸いです。
ステンドグラス教室 Atelier Reverie 千葉県勝浦
このシリーズはステンドグラス制作の手順を追って解説していますが使用している写真などは部分的な説明に適したものを選んでいます。一つの作品制作を通しての写真では無いです。ご理解下さい。
ティファニー技法によるステンドグラス制作手順
1 形、サイズ、デザイン
2 下絵作り
3 図面作り
4 型紙作り①
型紙作り②
5 ガラス選び
6 ガラスカット
7 ルーター作業
8 テープ巻き
9 はんだ付け
10 仕上げ色付け
5 ガラス選び
何を作るかを決めてからガラスを選んでも良いし、ガラスを見て意欲がわく事もあります。ガラス選びの時期は制作者それぞれです。このステンドグラス入門では一応教室の講習を前提にして書いていますので5番目の作業内容としています。型紙が出来ている状態であれば使用するガラスのおおよその分量も決められるので作業の流れとしては良いかもしれません。ガラス選びと一口で言っても数えきれに種類のガラスです。もちろん教室や工房の在庫から選びますがそれでも結構な種類になります。またガラスカットの難易度の高低もありますのでガラス選びについての紹介は初心者の方へ解りやすいようにこんな感じです的な内容の事ご理解下さい。
ステンドグラスに使用するガラスは大きく分けて解りやすく言えば不透明なガラス、透明なガラス、その中間となります。不透明なガラスはその名の通り透明度が無いもの。手にもって透かして見ても向こう側が見えないガラスです。透明なガラスとは向こう側が見えるガラス。透明なガラスでも色が付いているものも有ります。上写真は全て不透明なガラス。
上写真の4枚は不透明と透明の中間になるガラス。これらガラスは単体で使用する場合もあるし透明感のあるものと不透明なものとを混ぜて使用する場合も有ります。ステンドグラス制作経験者であればごく当たり前の事ですがこれから始めようとしている方もいると思いますので。
ステンドグラス作りに使用するガラスには各メーカー内でのランクが有ります。このガラスはこのランク、あのガラスはこのランクと言う風にランクが高ければ価格も上がってきます。ガラスに付いての質問で多いのはガラスは高くなるにつれてカットも難しくなるのですか?と言う内容。ステンドグラス制作に使用するガラスにはカット作業の難易度が確かにあります。これは経験してゆかなければ判りずらい内容ですが私自身もこのガラスは嫌だなと言う時が結構あります。ガラスのランクが高くなる、価格の高いガラスは切るのが難しいかと聞かれればそれは少々異なります。ランクが高くても切りやすいものもあれば低くても切り難いものも有ります。ただランクが低いガラスは大体がカットしやすいです。中には切り易す過ぎて失敗する場合も有りますが、、。教室へ通うようになり初めの1年位は指導者も切りやすいものを使わせるはずです。内容としてランクの高低ではどのようにガラスが異なってくるのかですがやはり高いランクのガラスは質感や色合い、重厚さなど光を通した時の美しさが違ってきます。入門したての頃はこれらは解らないのが当然ですがステンドグラス作品を数点作って行くと徐々に解り始めます。まだ慣れていない時期はランクの低めのガラスを使った方が良いのはやはり高価なガラスをカットで失敗してしまう確率が高いからです。ガラスカットの技量に合わせて選ぶのもガラス選択の重要な要素でもあるのです。
使用するガラスが決まれば次はガラスカット作業です。前回アップした型紙の制作で作った型紙を元にカットしてゆきます。多くの教室では型紙をガラスに油性ペンで写して行きその線をカットしてゆきます。ガラスに写さずカットしてゆく方法も有りますが少々難しいので多くの教室ではガラスへ型紙を写しての作業になります。型紙が出来ていない場合は重複になりますが各ガラスの分量が測れません。ピース数の多い作品の場合は型紙は事前に作ったうえでガラスを選んだ方が無難です。
上の写真のランプは一枚の同じガラスで作られています。ステンドグラスに使用するガラスは複雑な色合いのものも多くあります。一枚のガラスでも部分的にレッド系がありブルー系も含まれるような感じのもの。徐々にグラデーションのように色合いも変化するものや左右全く異なる色合いのものなど様々です。そのようなガラス1種類で部分部分を選びながら配置してゆくのも楽しい作業になります。
花びらの部分は、リーフの部分は、バックグラウンドはどのようなガラスを使おうか。ランプシェードの場合を言えば中に入っている電球の灯りが強くあたる部分とそうではない部分が有ります。ガラスを選ぶ時にもとても重要です。またランプ類を制作する場合は必ずガラス選びの時に電球にあてて色合いを確認するようにします。蛍光灯や日光を通してみた場合と使用する電球とではガラスの色合い、深みなどが異なってきます。窓辺に置く平面作品などは自然光を通して色合いなどを確認します。光量を良く通すガラス、あまり通さないガラス。また小物類、ボックスや光や灯りを通さない壁掛けや時計などに使用するガラスはそのガラスの見た目の色合いや質感で選ぶ事が多いです。
ステンドグラス制作のガラス選びは何を作るかで使用するガラスは異なってきます。好きなガラスを使えばよいわけですがガラスを見る目も大切です。経験を積んだ方なら判断も違う意味での迷いが生ずるものですが経験が浅い方へは教室では講師のアドバイスをよく聞いた方が良いです。気に入ったガラスでも先に記したようにカットの難易度もありますし制作する作品やデザインに合わない場合も有ります。制作を繰り返して行ううちに自然とガラスを見る目も育ちます。またカットしやすガラスばかりを選ぶようになる事はあまりよく無いです。少しずつ難易度の高いガラスもチャレンジして行かないとガラスカットの技術は育ちません。後のルーター作業に頼る癖が付くとカット技術の進歩は望めなくなってしまいます。詳しくはルータ作業で紹介したいと思います。
Atelier Reverieでは趣味、習い事、生涯学習として学ぶステンドグラス制作の教室を開催しています。経験の無い方でも安心して基礎から応用まで様々な作品作りをとおして学べます。ステンドグラスの技術は年齢を問わず世界中で多くの方が学び楽しんでいる伝統工芸です。日本国内でも多くの教室がありますので興味が有る方は是非学んでみて下さい。
【プロ養成講習】
職業としてのステンドグラス技術を学びたい方、将来教室を開きたい方へ技術者養成講習を行っています。特に教室運営等を目指したい方へ適した技術と知識の基礎を学ぶ事を目的とした個人指導の環境で学べる講習です。プロを目指したい方、経験の無い方へ基礎から技術を学びませんか。
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