ステンドグラス制作はどのような順序で行ってゆくのか。制作の手順など紹介してゆきたいと思います。
このカテゴリーはステンドグラスとはどういうものか。制作を始めてみたい、学んでみたいと感じている方へできる限り解りやすく内容を記しています。ステンドグラスの歴史云々は検索で多く出てきますのでそれらは割愛しますが技法の説明上古典的な内容を含む場合もあります。あまり堅苦しい文章にならないようにして行くつもりです。内容が脱線してゆく場合も多いと思いますがご容赦下さい。趣味として、生涯学習としてこれから学んでみようと感じている方、またこれらの工芸を職業にすることを模索している方もいると思います。Atelier Reverieでの教室活動を元に私の経験を含め色々書いて行きたいと思います。つたない文章ですが読み物として興味のある方へ少しでも参考になれば幸いです。
ステンドグラス教室 Atelier Reverie 千葉県勝浦
ステンドグラスの制作手順
何から手を付けるのか、制作に適した順序はどのようなものか。経験者であれば当たり前に理解している内容でもありますが多くの教室ではその内容に結構差があります。例えばステンドグラスのデザインブックを多用する教室や教室で用意されたデザイン、型紙まで出来ているものなどを使用する場合など。ガラスカットやその後のルータ作業、はんだ付けや最終的に行う色付け作業等。各工程の内容も教室により異なる箇所があります。今回紹介してゆく内容はAtelier Reverieのステンドグラス教室で行う内容でもあり主にオリジナル作品が出来るように指導していますので一からすべての工程を行ってゆきます。もちろんデザインブックなども使用する場合もあります。オリジナル作品以外の曲面のモールドを使用したティファニータイプなどはデザインなどの手順は省かれます。ステンドグラス制作の手順としては一般的なものと思いますがこれらを考慮し読んでいただければ幸いです。またこのブログを参考に全く経験のない方が制作することはまず無理です。制作は危険な要素も多くありますので学びたい方は教室を探してみてください。
前回アップした内容、ステンドグラスの種類について、では2種類の技法、ケイム技法と、ティファニー技法が有ることを記しましたが、今回紹介するのは多くの方が手掛けるティファニー技法になります。ケイム技法とは大きく異なる部分があります。
ティファニー技法によるステンドグラス制作手順
- 形、サイズ、デザイン
- 下絵作り
- 図面作り
- 型紙作り
- ガラス選び
- ガラスカット
- ルーター作業
- テープ巻き
- はんだ付け
- 仕上げ色付け
こんな順序です。先に記したようにデザインブックなど使用する場合は1から4は省かれます。一般的なティファニー技法で作るステンドグラスであればほぼこの内容、順序です。大きさや形に関係なく小さな手鏡であっても、さてどんな手鏡を作ろう、から始まりデザインや大きさガラスの配色を考え工程は同様に進みます。一つ一つの工程をもう少し詳しく説明してゆきたいと思います。
1. 形、サイズ、デザイン
当たり前ですが何を作るのか、形ですね。どんなステンドグラス作品に仕上げるのか。平面作品か立体作品か、ランプとして使用するものかそうではないのか。その作品へは絵柄が入るのか、モチーフは、それとも抽象的なデザインにするのか。などを考えてゆきます。
次はサイズですね。どの位の大きさにするのか。平面作品の場合、窓などに設置する目的があるのであればそのサイズに合わせて寸法は決まってゆきます。窓枠などに綺麗に入れるには色々考慮しなければならない部分が出てきますが今回は割愛します。立体作品であれば小箱などボックス類、テラリウム、多面体のランプなどがありますがこの時点でサイズを決めてしまいます。
形=何を作るか、サイズ=作品の大きさ、そしてその内容であるステンドグラスのデザインを考えます。平面であれ立体であれどんなデザインを入れるのか。モチーフが決まったら色合いも考え決めてゆきます。
2. 下絵作り
形、サイズ、デザインが決まったら下絵の作成です。もちろんこの時は発想としてお絵描き程度のもので構いませんので何枚かコピー用紙などへアイデアを描いてみます。それらを繰り返し最終的にサイズに合わせた下絵にし着色も色鉛筆で付けてゆきます。この時点ではステンドグラスとして制作できるデザインでなくてはなりません。ガラスカットが出来る線を表現してデザインは決めてゆきます。ガラスカットが出来るデザインと出来ないデザインがステンドグラスにはあります。これらについては重要でもあるので機会があれば書きたいと思います。
着色はしたほうが良いと思っています。経験ですが教室をで教えているとこの色鉛筆での着色を丁寧に行う生徒さんは後に良い上達をしてゆきます。下絵は大切です。十分考えながら時間も要します。大きい作品になるとこの下絵、デザインの決定に月3回位の講習、1回4時間前後で3か月くらいかかる場合もあります。下絵を基本にこれから行うすべての作業は進むので途中で変更などないよう熟考したほうが良いです。
今回はこの辺まで。内容が脱線している面もありますがこんな感じで作業は進みます。上にも記していますがこれらはオリジナル作品作りの主な手順です。平面、立体、サイズ、デザインに関わらず基本は同じです。何回かに分けてステンドグラス全般の手順を順を追って紹介して行きたいと思います。
趣味で楽しむ、また生涯学習としてステンドグラスの技術を学ぶ方が世界中におります。国内でもこれらを教える教室は大変多くあります。ステンドグラス制作は独学で行うことは困難です。制作に興味がありましたら是非近場の教室を探してみて下さい。Atelier Reverieではステンドグラス及びサンドブラストの技法を基礎から解りやすく学べるよう指導しています。
【プロ養成講習】
職業としてのステンドグラスの技術を学びたい方、将来教室を開きたい方へ技術者養成講習を行っています。特に教室運営等を目指したい方へ適した技術と知識の基礎を学ぶ事を目的とした個人指導の環境で学べる講習です。プロを目指したい方、経験の無い方へ基礎から技術を学びませんか。