前回の続きです。ガラスカットの内容をアップしています。
ステンドグラス・サンドブラスト 教室 Atelier Reverie 千葉県勝浦
植物を入れて鑑賞するテラリウムはその形や大きさも豊富で好みの物を色々作れて楽しい内容です。年間を通してテラリウムの作り方に関する質問も多く頂きます。万華鏡関連と同様に隠れた人気者でブログ等へアップすると興味のある方が結構多い事に驚きます。前回少し触れていますが自由な形、サイズで作るには図面が必要です。図面から型紙を作って行きます。
【前回の内容】
型紙の制作
●テラリウムの制作2
~ガラスカット~
植物を入れて楽しむテラリウムですのでクリアーなガラスが主体となります。中に入れた植物が見えないと良くないので。不透明なガラスを各所へちりばめても良い感じになります。現在Atelier Reverieのステンドグラス教室でも数名が制作しておりデザイン線などプラスしてもう少し凝った感じのステンドグラスに仕上げてゆきます。
型紙とおりにガラスを切って行きます。どのピースからカットしても構いません。今回の各ガラスピースは形もほぼ直線のもので単純な形です。ステンドグラスのガラスカットが有る程度出来る方であればガラスカットは楽です。使用するガラスもクリアーなガラスなので失敗する事は無いと思います。但し正確にカットして行かないと組み上げ作業時にズレてゆき最悪組めなくなります。組みとは立体へ形作ってゆく工程です。
板状のガラスへは型紙を油性ペンで写しその線の内側をガラスカッターで切って行きます。短い線は定規等を使用しなくても慣れれば切れます。写真のガラスカッターは多くのステンドグラス教室で使用しています。このカッターは押し進めても、引いても切れますが通常は押し進めて行きます。
ガラスカッターでカット線が入ったら次は切り離し。ガラスはガラスカッターでまずは線を入れ次にその線を切り離して行きます。切り離し専用の道具を使用する場合もありますが基本は手での作業を心がけます。この手で切り離す感覚は大切で後の技量に大きく影響して行きます。カットするガラスピースが小さい場合はステンドグラス専用のペンチを使用する事も大切です。
クリアーなガラス。透明感のあるガラスはカットも切り離しも簡単です。と言っても慣れは必要ですがこの感覚を十分身に着けるよう心がけます。
ガラスへ型紙の形を油性ペンで写さずにカットする方法。型紙を手で押さえてその側面へガラスカッターを走らせて行く方法です。凹凸の少ないガラス、フラットなガラスに適した技法である程度単純な形の場合これが出来るととても楽でより正確なガラスカットが可能になります。本来はダイヤモンドカッターで行う古典技法に入ると思いますがオイルカッターでも十分行え便利です。
少し長めのガラスカット、同様に切り離して行きます。天井の灯りがガラスに映って見にくい画像でスミマセン。
離れました。
今回唯一カーブがあるガラスピース。同じものを複数枚切るので横幅は型紙に合わせてまず切っておきます。
カーブも同様に型紙の側面に合わせてガラスカッターを走らせます。
上写真はガラスカッターで付けた線です。スコアーとも言います。この線が良い線と良くない線があります。良い線は次の切り離しで素直に切り離れてくれるのですが良くない線の場合中々切り離しに苦労します。また失敗し形通りにピースが取れない場合も結構有ります。良い線、良くない線は使用するガラスによっても異なってきます。ガラスカッターをガラスに押し付ける力加減、カッターを走らせるスピードなどが関係してきます。このガラスでは切れたのにあのガラスは上手く行かない、などなど。この辺がステンドグラスのガラスカットの難しさのひとつです。
切り離し。小さいガラスはステンドグラス専用のペンチを使用します。挟む場所も良い場所と良くない場所があり大切です。
横幅部分の直線をカットします。
このカーブはテラリウムの植物を入れる入口の上下のアーチ部分です。
各型紙の形通り必要な枚数をガラスカットします。この後ルーター作業へ入ります。ルーター作業とは各ガラスの側面をルーターと言う電動の工具、回転するヤスリで綺麗にする作業です。多面体であるテラリウムはステンドグラスの立体作品の基礎が多く学べる内容を含み多くの教室で課題として取り入れています。型紙作りから丁寧に行わないと少しづつズレが生じ先々苦労する事もあります。それでもテラリウムは人気があり好んで制作される方が多いです。
ステンドグラス制作の工程の一つガラスカットはとても大切です。ガラスカッターの持ち方や角度、体の姿勢など習い始めたころの癖は一生ものです。良くない癖が付くと中々それを正すことは困難です。良い癖が付くと力もさほど必要とせず体にも負担が少ない作業が出来ます。またカットの失敗も良い癖とそうではない癖では差が出てきます。趣味で楽しむステンドグラスですが良い癖が付くよう意識して作業する事は大切です。
Atelier Reverieでは趣味、習い事、生涯学習として学ぶステンドグラス制作の教室を開催しています。経験の無い方でも安心して基礎から応用まで様々な作品作りをとおして学べます。ステンドグラスの技術は年齢を問わず世界中で多くの方が学び楽しんでいる伝統工芸です。日本国内でも多くの教室がありますので興味が有る方は是非学んでみて下さい。
【プロ養成講習】
職業としてのステンドグラス技術を学びたい方、将来教室を開きたい方へ技術者養成講習を行っています。特に教室運営等を目指したい方へ適した技術と知識の基礎を学ぶ事を目的とした個人指導の環境で学べる講習です。プロを目指したい方、経験の無い方へ基礎から技術を学びませんか。
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